エンゲル文庫デジタルアーカイブの公開について

当館所蔵の貴重図書エンゲル文庫から111点をデジタルアーカイブとして、Engel(西洋古典籍・古文書デジタルアーカイブ)を通じて公開しました。今回は、エンゲル文庫の中から、他機関でデジタルアーカイブ化されていないものや書き入れ・書き込み等の見られるものなどを中心に選択的にデジタルアーカイブ化を行っています。

Engel(西洋古典籍・古文書デジタルアーカイブ)

エンゲル文庫の紹介と事業の経緯

エンゲル文庫は、エンゲル係数で知られる統計学者エルンスト・エンゲル(1821-1896)の旧蔵書です。残念ながらエンゲル文庫の大半は1923年の関東大震災で灰燼に帰しましたが、全体の1割弱にあたる1,200点ほどが現存しています。

このコレクションは統計学者の高野岩三郎(当時本学講師)がドイツ留学中に見いだしたもので、総長と交渉の上で本学での購入が決まり、これを契機として1900年に当時の法科大学内に経済統計研究室が設置されました。
経済統計研究室の設置により、日本における経済学の本格的な教育・研究がはじまり、1919年の経済学部の設置へとつながってゆきます。
東京大学経済学図書館の創設も、経済統計研究室におけるエンゲル文庫を中心とした蔵書管理の開始に求められます。
このようにエンゲル文庫は、本学部の前身や当館の淵源として記念碑的存在であるのはもちろんですが、日本の経済学の歴史においても記念すべきコレクションだと言えるでしょう。

当館では、東京大学経済学部創立100 周年および東京大学経済学図書館創設120年を記念してエンゲル文庫の保存とデジタル化を計画し、劣化対策や修復などの保存事業は田嶋記念大学図書館振興財団、デジタル化は東京大学デジタルアーカイブズ構築事業からそれぞれ助成を受けることができました。支援をいただいた関係者各位に厚く御礼申し上げます。

なお、エンゲル文庫の目録は東京大学OPACで検索可能です。詳細検索画面に遷移し、文庫区分から「エンゲル文庫(経)」を選択の上で検索してください。

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